ゼロから学ぶITパスポート:🧯 2. デュプレックスシステム(Duplex System)

🧯 2. デュプレックスシステム(Duplex System)


🎯 目的

デュプレックスシステムとは、主系(アクティブ系)従系(スタンバイ系)の2台のコンピュータを用意し、ふだんは主系だけを使って処理を行い、従系はトラブル時に備えて待機しておく構成です。

主系に障害が発生した場合は、従系へ自動で切り替えて処理を継続できるようになっています。


📍 使われ方(実例)

  • 🚃 鉄道の信号制御
    → 命にかかわるため、異常時でも即座に復旧できることが求められる
  • 🏥 医療機器(CTスキャナ、心電図モニタなど)
    → 検査中にトラブルが起きても、切り替えて中断せずに処理を継続できる
  • 🕰 技術の進化
    → 以前は人が手動で切り替えていましたが、現在はシステムが自動で故障を検知し、従系に切り替えるのが一般的です

🌟 デュプレックスシステムの利点

  • 電力や運用コストを抑えられる
    → 通常時は1台しか稼働させないため、消費電力・機器負荷が少ない
  • 保守がしやすい
    → 一方のシステムを停止して点検中でも、もう一方が控えているので安心
  • トラブル時の即時切替
    → 主系が停止しても、従系に自動で切り替わり、サービスを継続できる

⚠️ 注意点と現代的な運用の工夫

💤 従系が「何もしていないように見える」問題

デュプレックス構成では、従系は原則として待機専用のため、長時間使われないこともあります。そのため、「遊ばせていてもったいない」という声もあります。

🧮 待機中のバッチ処理の活用とそのリスク

システムによっては、従系に軽いバッチ処理(集計やバックアップなど)をさせる運用が行われることもあります。
これはリソースの有効活用という意味では合理的ですが、次のようなリスクがあります:

💥 従系がバッチ処理中に主系が故障した場合、即座に切り替えられない可能性がある

つまり、「いざというとき」にすぐ本番処理を引き継げない恐れがあるということです。

✅ リスク回避の設計例

  • バッチ処理の時間帯を限定し、本番系と被らないようにする
  • バッチ処理を即中断可能な設計にする
  • 🖥 バッチ処理専用の別サーバーを用意し、従系では何も処理させない

このように、従系が常に切替準備を整えている状態を保つことが、デュプレックスシステムの基本思想です。


🔁 よく似た「デュアルシステム」との違い

比較項目デュプレックスシステムデュアルシステム
通常の動作主系のみ稼働、従系は待機主系・従系とも常に稼働(並列)
主な目的障害時の自動切替(冗長性)処理能力の向上+冗長性
消費電力・コスト低い(1台分で済む)高い(2台分稼働)
切替の仕組みフェイルオーバー(主→従に自動切替)両方稼働なので切替不要
用途例鉄道、医療、制御システムなど銀行、通信、ECサイトなど高速・高負荷系

🔧 デュプレックスにおける「スタンバイ(従系)」の種類

デュプレックスシステムでは、**従系(スタンバイ系)**の「待機のしかた」にもいくつかのパターンがあります。これは、どの程度まで即時切替を重視するか、どれだけリソースを使うかに応じて選ばれます。

種類状態特徴・用途
🧊 コールドスタンバイ電源OFFまたは完全停止状態消費電力ゼロ、復旧に時間がかかるがコスト低い。あまり使われない
♨️ ホットスタンバイ常時起動&同期済み切替が瞬時に可能。鉄道・医療・金融などミッションクリティカル系
🔥 ウォームスタンバイ起動済みだが処理は行わない。定期的に同期切替までに少し時間がかかるが、コールドより速い・ホットより軽い。中小システムや自治体で多い構成

🧠 運用イメージとリスクの違い

観点コールドウォームホット
消費電力低い中程度高い
即時切替×(数分~十数分)△(数秒~数十秒)◎(ほぼ瞬時)
コスト
安全性

💡 重要なインフラではホットスタンバイが主流。ただし、コスト・要件に応じて柔軟に使い分けられています。

💬 補足:バッチ処理との関係

ウォームスタンバイやホットスタンバイであっても、従系に軽い処理(ログ監視・自己診断)を行わせるケースがあります。
さらに、限られた環境では夜間やアイドル時間にバッチ処理を行わせる運用もありますが、これは以下のような切替リスクと常に隣り合わせです:

  • 📉 主系が故障 → 従系がバッチ中 → 即切替不可
  • 🔄 バッチ処理中は「スタンバイ」ではなく「実行中の別処理」扱いになる

このため、純粋なスタンバイ性を重視するなら「処理をさせない」のが理想です。

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この記事を書いた人

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