東都未来大学 学食ロボ開発、大騒動!
東都未来大学の昼休み。
学食では毎日ラーメンコーナーに長い列ができていた。
それを見た二階堂先生は、突然こう言った。
「今年は、自動ラーメン製造ロボを作るぞ!」
学生たちは顔を見合わせた。
「……また始まった。」
こうして、東都未来大学の新しいプロジェクトが動き出した。
二階堂先生の考えは大胆だった。
まず、ロボットの部品づくりの一部は外部企業に任せる。つまりアウトソーシングである。
さらに、学生が学食だけでなくスマホからも注文できるようにして、生協ショップとも連携する。
こうした仕組みはオムニチャネルの発想だ。
しかし、最初に興味を示したのは一部のラーメン好きの学生だけだった。
一般の学生たちは様子見である。
「ここがキャズムってやつですね」と学生が言うと、二階堂先生は満足そうにうなずいた。
もちろん大学の企画である以上、衛生や安全面を含めたコンプライアンスを守らなければならない。
しかもこの開発には、学生、学食、大学、企業など多くのステークホルダーが関わっている。
二階堂先生はさらに言った。
「基本のラーメンは無料にして、トッピングだけ有料にしよう!」
「それ、フリーミアムですね……」
学生たちは半分あきれながらも、メモを取った。
次に考えなければならないのは、誰でも使いやすい仕組みである。
留学生や高齢者、障がいのある人でも使いやすいように、アクセシビリティを高める必要がある。
このロボットは、単なる機械ではなく「食の体験」を提供するサービスでもある。
開発チームは進捗を共有するためにグループウェアを使った。
ところが二階堂先生は、研究室に来ない日も多い。
「先生、今日はどこですか?」
「私は自宅だ。テレワークだよ。」
画面越しに得意げな二階堂先生を見て、学生たちは少し不安になった。
いよいよ設計段階に入る。
ラーメンをどう作るか、その処理手順、つまりアルゴリズムを決めなければならない。
注文画面は、学生とシステムをつなぐインタフェースになる。
そして注文は、先に受けたものから順に処理するキューで管理することになった。
ラーメン製造の流れを図にしてみると、
- 麺をゆでる
- スープを注ぐ
- トッピングをのせる
- 完成
という順番になった。
その中で最も時間がかかるのは「麺をゆでる」工程だった。
つまり、ここが全体の最短完了時間を決めるクリティカルパスである。
「ここを改善すれば、全体が速くなりますね!」
学生たちも少しずつ乗ってきた。
ところが開発が始まると、いきなり問題が起きた。
「先生、コードがおかしいです!」
画面を見ると、ラーメンにチャーシューを100枚のせる設定になっている。
「なんだこれは!」
学生たちはあわててコードレビューを行った。
注文処理、調理処理、会計処理が連携した大きなシステムなので、小さなミスでも大混乱になる。
開発した全体の動きを確認するため、システムテストも必要だった。
ロボットを動かすソースコードを確認しながら、何度もテストを繰り返したが、まだ問題は続く。
ある日、学生がラーメンを注文したところ、なぜか出てきたのはカレーだった。
「先生、完全にバグです!」
そこで開発チームは徹底的にデバッグすることになった。
しかし、時間がない。
学園祭まであとわずかである。
二階堂先生は突然宣言した。
「今夜はハッカソンだ!」
学生たちは研究室に集まり、徹夜でプログラミングを始めた。
そしてついに、ロボット本体が動き出す。
ロボットアームを実際に動かすのはアクチュエータ。
注文データをすばやく処理するためにはキャッシュメモリが活躍する。
処理そのものはCPUのコアが担当する。
学生が注文する端末は、機能を最小限に絞ったシンクライアントにした。
複雑な処理やデータ管理はサーバ側で行うのである。
大量のデータを高速に扱うため、複数のディスクに分散して保存するRAID 0も導入した。
さらに、制御用のソフトウェアやログ、設定ファイルは、用途別にフォルダへ整理された。
そして、ついに完成の日。
湯気を立てながら、自動ラーメン製造ロボが見事に一杯のラーメンを作り上げた。
「やったー!!」
学生たちは大喜びした。
ところが次の瞬間、会計画面にとんでもない数字が表示された。
お会計 12万8,000円
全員が凍りついた。
「……先生。」
「うむ。」
「どこかで、まだバグってますね。」
「そのようだ。」
二階堂先生は静かにパソコンを開いた。
「よし。もう一度デバッグだ。」
こうして東都未来大学の学食ロボ開発は、完成したようで、まだ終わっていなかったのである。
