1. 売上(収益)
商品やサービスを売った合計金額。
- 例①:1個1万円のパソコン部品を1,000個販売 → 売上=1億円
- 例②:月額1,000円の動画配信サービスを1万人が契約 → 売上=1,000万円
2. 売上原価(変動費)
商品を仕入れたり作ったりするために直接かかった費用。
👉 売れた数に比例する費用。
- 例①:小売業 → 商品の仕入代金
- 例②:製造業 → 材料費、製造に従事する作業員の人件費
3. 売上総利益(粗利)
売上-売上原価売上 - 売上原価売上-売上原価
商品を売って「どれだけ稼げたか」の最初の利益。
👉 まだ固定費は引いていない。
- 例①:売上1,000万円、原価600万円 → 粗利=400万円
- 例②:ラーメン屋で売上100万円、食材費40万円 → 粗利=60万円
4. 販売管理費(販管費)(販売費及び一般管理費)
商品を売るため・会社を運営するための費用。
👉 ここに固定費が多く含まれる。
- 例①:営業マンの給料(固定費)
- 例②:会社の家賃・光熱費(固定費)
- 例③:広告宣伝費(売上に比例する場合もある)
🔹 販売費(Selling Expenses)
👉 商品やサービスを「売るために直接かかる費用」。お客さんに商品を届けるまでの費用
- 広告宣伝費(CMやチラシ、ウェブ広告)
- 営業担当者の給料・交通費
- 販売手数料
- 配送費(宅配・運送)
特徴:売上を伸ばす活動に直結している費用。
🔹 販売費の中身を分けてみると
変動費に近い販売費(売上に比例しやすい)
販売手数料(売れた分だけかかる)
配送費(売上が増えると配達回数・送料が増える)
売上に応じた営業インセンティブ
固定費に近い販売費(売上に関係なく一定)
営業マンの基本給
広告宣伝費(テレビCMや新聞広告などは一定額を払う場合が多い)
営業所の家賃
👉 販売費は「変動費と固定費が混ざっているけど、全体としては固定費に近い扱い」
🔹 一般管理費(General & Administrative Expenses)
👉 会社を運営・管理するためにかかる費用。会社を裏から支えるための費用
- 本社・事務部門の人件費
- 役員報酬
- 本社の家賃・光熱費
- 法務・経理・総務などバックオフィスの費用
特徴:売る活動とは直接関係ないけれど、会社を維持するために必要な費用。
5. 営業利益
売上総利益-販管費売上総利益 - 販管費売上総利益-販管費
会社の本業だけでどれくらいもうけたか。
- 例①:小売業 → 粗利から「店舗の家賃・従業員の給料」を引いた残り
- 例②:飲食業 → 粗利から「店員の給料・水道光熱費」を引いた残り
6. 営業外収益・営業外損益
本業以外での収益や損失。
- 例①:銀行に預けて受け取った利息(収益)
- 例②:借金に対する利息支払い(損益)
- 例③:株式投資の配当金(収益)
7. 経常利益
営業利益+営業外収益-営業外損益営業利益 + 営業外収益 - 営業外損益営業利益+営業外収益-営業外損益
会社が日常的に稼いでいる力を表す利益。
- 例①:営業利益500万円 + 預金利息20万円 - 借入利息30万円 → 経常利益490万円
- 例②:不動産業 → 家賃収入が営業利益に加わる
8. 特別利益・特別損益
普段の活動とは関係ない臨時的な収益や損失。
- 例①:土地や建物を売却して出た利益(特別利益)
- 例②:地震や火災で工場が壊れて出た損失(特別損益)
9. 税引前当期利益
経常利益+特別利益-特別損失経常利益 + 特別利益 - 特別損失経常利益+特別利益-特別損失
税金を払う前の利益。
- 例①:経常利益500万円+土地売却益100万円 → 600万円
- 例②:経常利益700万円-災害損失200万円 → 500万円
10. 法人税等
会社が国や地方に払う税金。
- 例①:法人税
- 例②:住民税・事業税
11. 当期純利益
税引前当期利益-法人税税引前当期利益 - 法人税税引前当期利益-法人税
会社に最終的に残った「純粋なもうけ」。
- 例①:税引前利益1,000万円-法人税300万円=純利益700万円
- 例②:純利益の一部を株主に配当、一部を会社の内部留保へ
🔑 ポイント整理
- 売上総利益(粗利):売上-変動費(売上原価)
- 営業利益:粗利-販管費(ここに固定費が入る)
- 経常利益:営業利益+金融収支
- 当期純利益:最終的に会社に残る利益
👉 つまり「販管費=固定費を含む費用」なので、最初の問題では「利益=営業利益」と判断できる。