あなたはサーバ管理者です。オンプレミス環境でサーバを管理しています。
外は大雨。そして、雷が落ち、停電になりました。
今、どんな気持ちですか?
ファシリティマネジメントとは何か?
ファシリティ(Facility)=「施設・設備・建物」
マネジメント(Management)=「管理・維持」
つまり、
情報処理に関わる施設や設備を安定して運用するための管理業務のこと。
IT システムはコンピュータだけで動いているわけではありません。
電気、空調、建物の安全性など、さまざまな要素が支えています。
1.電気設備の管理
IT の世界では 電気トラブル=業務停止 に直結します。
落雷とサージ(大電流)の問題
雷が落ちると、一瞬だけ 大きな電流(サージ) が流れます。
これが機器に入ると、最悪の場合は サーバやルーターが故障 します。
対策 → サージ防護機器(サージプロテクタ)を使う
・雷サージを吸収してパソコンやサーバを守る
・電気工事では必須の考え方
停電のリスクと UPS(無停電電源装置)
サーバが突然「プツッ」と落ちるとどうなるでしょう?
・データが壊れる
・OS が正常に終了しない
・再起動に時間がかかる
・授業や業務が停止する
こうしたトラブルを避けるために使うのが UPS(Uninterruptible Power Supply)=無停電電源装置。
大きなバッテリーで数分〜数十分、サーバを生かす装置。
その間に安全にシャットダウンできるため、
IT 現場では必須の設備といえます。
長時間の停電には「自家発電機」
UPS で動くのはあくまで数分〜数十分。
停電が長引く場合は 自家発電機(発電機) が必要です。
病院や大規模オフィスで導入されている理由がここにあります。
2.建物設備の管理
ファシリティマネジメントは電気だけではありません。
建物の安全:入退室管理の重要性
情報システム室やサーバールームに 誰でも入れる状態 は非常に危険。
個人情報や機密情報、ネットワーク機器が盗難・破壊される可能性があります。
→ 入退室管理(IC カード、ログ記録)が必須
「人の出入り」を管理することも、IT 全体の安全につながります。
3.省エネとコスト管理
設備を動かすにはお金がかかります。
・サーバの電気代
・空調設備
・モニター・照明 etc.
特にサーバルームは 常に冷房を入れ続ける必要がある ため、
電気代が跳ね上がりやすい分野です。
→ 省エネ設計(高効率エアコン、仮想化によるサーバ削減) が重要。
4.BCP(事業継続計画)もファシリティマネジメントの一部
BCP(Business Continuity Planning)とは、
災害が起きても重要な業務を止めないための計画
具体的には:
・データを定期的にバックアップ
・発電機を使えるようメンテナンス
・通信網を複数確保(複数キャリアの回線)
・データベースやサーバの復旧手順を定期的に訓練
「もし地震が来たら?」
「サーバが壊れたら何を最優先で復旧する?」
こうした“最悪を想定した準備”もファシリティマネジメントの仕事です。
■ まとめ:ファシリティマネジメントは IT の土台を支える仕事
ファシリティマネジメントは派手ではありませんが、
IT システムを安定して動かすための基盤 を守る重要な分野です。
この記事で紹介したポイントをもう一度まとめると:
- 電気トラブル(落雷・停電) → サージ防護/UPS/発電機
- 建物管理 → 入退室管理
- コスト管理 → 省エネ、電気代の最適化
- BCP → 災害時も業務を継続するための準備